熱帯医学・渡航医学・感染症 のニュース&トピックス
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エジプトのメンフィス発レジオネラ症のアウトブレイク
キャンピロバクター

2017年6月にエジプト、メンフィスのホテルに宿泊した英国人と米国人がレジオネラ症を発症した。

水回りの環境調査ではメンフィスのホテルのプール、バスタブやプールのフィルターから低い塩素濃度及びレジオネラ陽性のサンプルが検出されている。その後の調査では同ホテルの宿泊客のうち92人(米国、英国、カナダ、オーストリア)がレジオネラ感染症に罹患していたと推測された。そのうち16人は入院加療を受けており、1人が亡くなっている。

MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2018 Jan 19; 67:77.

##他国でおきた渡航者の感染症アウトブレイクに対しては渡航医学、国の感染対策機関等が連携して調査に入る必要がありますが、様々な困難が予想されます。その中で今回のアウトブレイクの全容が解明されたのは印象的でした。

写真出典:国立感染症症研究所

北米、裏庭で感染したアライグマ回虫による脳髄膜炎の症例報告

2017年4月、米国にて19歳の男児がアライグマ回虫( Baylisascaris procyonis)が原因と推定される脳髄膜炎を発症している。この男児は発症の数週間前に裏庭の土を食べたと報告されている。男児においては振戦、運動失調の症状が出現し、座ったり立ったりすることができなかった。血液、髄液の検査では好酸球の増多、頭部MRIでは白質、半球に変化を認めた。抗体価検査ではアライグマ回虫 Baylisascaris procyonisに対する抗体価の上昇を認めた。治療としてAlbendazole, ステロイドの治療が開始され、患児の振戦、運動失調は改善している。

MMWR Morb Mortal Wkly Rep 67 (2), 79-80. 2018 Jan 19.

##印象的な症例報告です。アライグマ回虫は北米に生息するアライグマの間で流行する回虫感染症(Soil-transmitted helminthes)です。ヒトは固有宿主ではなく、paratenic hostとなります。幼虫移行症をおこし、中枢神経、眼での感染が報告されています。日本での感染報告はないとされていますが、北米から輸入したアライグマの保虫報告があり、注意が必要です。

写真出典:国立感染症症研究所

GMS会員】eラーニング
マヒドン大学熱帯医学短期研修の講義を中心に、熱帯医学、渡航医学、感染症に関する動画や、マラリアや消化管寄生虫クイズなど、わかりやすい教材で効率的に学習できます!以下、eラーニングの一部です。
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1)2017年マヒドン大学熱帯医学短期研修講義
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  Prof. Yaowalark
 ②渡航医学講義 Dr. Wacharapong
 ③Case discussion Melioidosis
  Dr. Wirongrong and Dr. Hadano.......他
2)消化管寄生虫を用いた地域診断
3)渡航前のワクチン接種東南アジア編...他

サンプル映像は、2017年マヒドン大学熱帯医学短期研修
「消化管寄生虫症概論」Prof.Yaowalarkです。

GMSe-ラーニングでは、マラリアや消化管寄生虫など、顕微鏡での特徴をクイズ形式で解説いたします。典型例を分かりやすく原虫別に出題していきます。これらの画像は、「マヒドン大学熱帯医学部出版(英語)の寄生虫アトラス」から抜粋したものと、実際の顕微鏡の画像を混在して入れています。実臨床では教科書画像のように分かりやすい画像とは限らないので、注意が必要です。
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